勅祭社一覧

 

 

勅祭社とは、祭祀に際して天皇により勅使が遣わされる神社のことです。但し、五大祭に勅使が遣わされる伊勢の神宮は別格とされて勅祭社に含めません。以下がその勅祭社の一覧です。

因みに、宇佐神宮と香椎宮へは10年ごと、鹿島神宮と香取神宮へは6年ごとに勅使が遣わされ、御英霊を祭神としてお祀りする靖國神社には春秋二度の大祭に勅使が遣わされています。


社名 鎮座場所 主な祭神 旧社格
賀茂別雷神社 京都府京都市北区上賀茂本山339 賀茂別雷大神 官幣大社
賀茂御祖神社 京都府京都市左京区下鴨泉川町59 玉依姫命・賀茂建角身命 官幣大社
石清水八幡宮 京都府八幡市八幡高坊30 八幡大神 官幣大社
春日大社 奈良県奈良市春日野町160 春日神 官幣大社
熱田神宮 愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1-1 熱田大神 官幣大社
出雲大社 島根県出雲市大社町杵築東195 大国主大神 官幣大社
氷川神社 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1丁目407番地 須佐之男命・奇稲田姫命・大己貴命 官幣大社
鹿島神宮 茨城県鹿嶋市宮中2306-1 武甕槌大神 官幣大社
香取神宮 千葉県香取市香取1697 経津主大神 官幣大社
橿原神宮 奈良県橿原市久米町934 神武天皇・媛蹈鞴五十鈴媛命 官幣大社
近江神宮 滋賀県大津市神宮町1-1 天智天皇 官幣大社
平安神宮 京都府京都市左京区岡崎西天王町97 桓武天皇・孝明天皇 官幣大社
明治神宮 東京都渋谷区代々木神園町1番1号 明治天皇・昭憲皇太后 官幣大社
靖國神社 東京都千代田区九段北3丁目1番1号 護国の神霊 246万6千余柱 別格官幣社
宇佐神宮 大分県宇佐市南宇佐2859 八幡大神・比売大神・神功皇后 官幣大社
香椎宮 福岡県福岡市東区香椎4-16-1 仲哀天皇・神功皇后 官幣大社
朝鮮神宮 廃社 天照大神・明治天皇 官幣大社


【旧勅祭社(明治初期)について】

 

旧勅祭社とは一種の社格のような制度で、旧勅祭社に定められた神社には例祭(神社で最も大切なお祭)の際に、勅使が差遣され、奉幣されました。この制度は、明治元年十一月に公布され、明治六年二月まで維持されました。制度廃止後は、伊勢の神宮以外の神社には勅使ではなく、地方官が幣帛供進使として参向するようになりました。

以下はその一覧です。

 

[制定当初]13社

伊勢両宮 石清水八幡宮 賀茂上下社
大原野神社  吉田神社  八坂神社
松尾大社 北野天満宮 平野神社 
稲荷神社 梅宮神社 氷川神社 
春日大社    

[増加後]30社

伊勢両宮

賀茂上下社

氷川神社
 杵築大社

熱田神宮 

宇佐神宮
鹿島神宮

香取神宮

石清水八幡宮

春日大社

香椎宮 宗像大社
日吉大社 大神神社

大和神社

八坂神社 北野天満宮

太宰府天満宮

廣瀬神社 龍田神社 石上神宮
廣田神社 住吉大社 松尾大社
大原野神社 吉田神社 平野神社
稲荷神社 梅宮神社 貴船神社


【旧勅祭社(明治中期)】

明治十六年になると再び、勅祭社が定められます。この時定められた神社は、加茂別雷神社・賀茂御祖神社・石清水八幡宮の三社で、いずれも社格は官幣大社です。勅祭社は漸次増加して、昭和十一年には十一社になりました。

 

賀茂別雷神社 賀茂御祖神社 石清水八幡宮
春日神社  氷川神社  熱田神宮
出雲大社 橿原神宮 明治神宮
宇佐神宮 香椎宮  

【旧准勅祭社について】

旧准勅祭社は東京遷都に当り、特に奉幣使を差遣された十二社の事を指します。この制度は明治三年九月まで維持されました。

以下はその一覧です。

 

・日枝神社

・根津神社

・芝神明社(芝大神宮)

・神田神社

・白山神社

・亀戸神社

・品川貴船社(荏原神社)

・富岡八幡神社

・王子神社

・赤坂氷川神社(氷川神社)

・六所神社(大國魂神社)

・鷲宮神社